会社法改正は、商法制定から実に100年ぶりの抜本的改正となり、画期的な出来事とされています。現代経済のグローバル化に合わせて、日本企業が競争しやすい環境を整え、日本経済の低迷を抜け出すことをコンセプトに大幅な改正がなされたのが新会社法といわれているものです。
会社法では、大幅な規制緩和が実施され、企業の実態に合わせた選択ができる任意の制度の幅が広がりました。一方、企業の自己責任を促して、企業統制(コーポレートガバナンス)や法令順守(コンプライアンス)が厳しく求められています。今回の会社法を理解し、しっかりと対策を講じていく必要があります。ここでは、全979条と膨大な会社法の中から重要なところをわかりやすく解説しています。
新会社法の主な改正ポイントは次のようなものがあります。
(1)会社設立
最低資本金制度の廃止
新会社法では、会社の設立に際して出資すべき額についての下限額の制限が撤廃(出資額規制の撤廃)されたため、資本金1円で株式会社を設立(いわゆる1円起業)できることになりました。
類似商号規制制度の廃止
新会社法では、「類似商号規制」について、会社の設立手続を簡略化するなどの観点から廃止されました。
払込金保管証明提出制度の廃止
発起設立によって会社を設立する場合は、「払込金保管証明書」は必要なく、銀行の残高証明でいいことになりました。
(2)会社類型の再編・新設
株式会社と有限会社の統合
会社法の施行によって、有限会社という会社形態は無くなりました。会社法の施行前から既にあった有限会社は、株式会社として存続することになります(この会社を「特例有限会社」といいます)。
合同会社(LLP)の新設
(3)取締役、取締役会
書面やインターネットで取締役会決議(要定款変更)
書面やインターネットでの取締役会決議が可能になったため、役員が出張がちや緊急用件が頻発する(する可能性がある)などの理由で、定款変更をする会社が増えています。
取締役会の決議範囲の拡大
特別取締役の創設
(4)情報開示
内部統制システム
新会社法では大会社に内部統制システム(企業が粉飾決算などの不正決算を行わないように社内でチェックする仕組み)の設置が義務づけられました。
社外取締役の選任理由や活動報告
会社法の施行によって企業には従来より多くの詳しい情報開示が求められています。
買収防衛策を株主総会で報告
M&A(企業の合併・買収)の対価の内容や算定根拠
(5)株主総会
開催手続が簡単
開催場所の選択肢が拡大
インターネット活用範囲の拡大
(6)株主への利益配分
利益配当は何回行っても良い(要定款変更)
剰余金の配当は、いつでも、株主総会の決議によって決定することができるようになりました。
(7)資金調達
社債発行の機動性が向上しました
これまで、有限会社等では少人数私募債を利用できませんでしたが、新会社法ですべての会社に活用の道が開かれました。
(8)監査
会計監査人も株主代表訴訟の対象
社外監査役にも責任限定制度
会計参与制度の創設
など。
